こんにちは、SHOOT(@Shoot58153748)です!
新卒で大手SIerに就職し、わずか1年で辞めました。
すでにWeb系自社サービスの会社でエンジニアとして働いています。
転職理由は、より自分らしくいるため、よりなりたい自分に近づくためです。
それでも、せっかく誰もが知る大企業、安定というステータスを手に入れたにも関わらず、なぜたった1年目でそれを捨ててまで転職に踏み切ったのか。
今回は、大手SIerを辞めた理由について深く話しつつ、これからSIerでシステムエンジニアを目指す人にとってとても参考になる話をします。
目次
大手SIerを1年で辞めた4つの理由
せっかく大企業に入ったのになんで辞めちゃうの??
もったいないよ!
確かのその通りなのですが、私には大手SIerを辞めた明確な理由が4つあります。
- ITスキルが身につきにくい環境だった
- SI業界に将来性を感じなかった
- SI業界が嫌いになった
- ザ・サラリーマンの社風に馴染めなかった
ITスキルが身につきにくい環境だった
辞めようと思った1番の理由は、「スキルが身に付かない」からです。
※ここで言うITスキルとは、IT全般の素養(ネットワーク、セキュリティ等)と設計スキルやプログラミングスキルのこと
私(システムエンジニア)は1年間で業務システムの保守・運用案件と開発案件に携わりました。
いずれの案件でもシステムを作っている、というよりもエクセルで資料を作っている感覚でした。笑
というのも、大手SIerはSI業界の最上流(顧客から仕事を受ける元請け企業)に位置しています。
なので基本的にはシステム開発・運用・保守のマネジメント側に回り、実作業は下請け企業に依頼する、という構造なのです。
どうしても社内調整や顧客折衝に追われてITに関わる機会は少なかったです。
(サラリーマンとしてやっていくスキルはとてもつきそうだけどね!!)
これからはインターネットのおかげで個人がよりエンパワーされていく時代。
会社に依存しない生き方を望んでいるSHOOTにとっては、
技術に詳しい上司もおらず、時間だけがいたずらに消費され、仕事を通じてエンジニアとしてのスキルが身に付かないことに非常にストレスを感じてしまったのです。
SI業界には将来性がないと感じた
次に、企業、というよりSI業界に将来性を全く感じませんでした。
理由は、
- 労働集約型ビジネス
- クラウド化の波に飲み込まれている
- 労働環境が過酷
労働集約型ビジネス
労働集約型ビジネスとは、人間の労働力に頼る割合が大きいビジネスのこと。
代表的な例は、接客業やサービス業。
特徴としては、やればやるほど、人を投入すればするほど儲かる(売上が上がる)ということ。
ただし、一人当たりの生産高は決まっているので、利益はさほど変わりませんが(営業力に依存します)。
やればやるほど儲かるので、基本的に安定。
安定ゆえに、とても人気な産業です。
人気ということはレッドオーシャンだということが言えます。
やがて供給過多になり、価格競争に陥りコストカットが進む。どんどん経営が厳しくなります。
わかりやすい例を挙げると、牛丼屋などもそうですね。
SI業界はITなので機械化・自動化が進んでそうなイメージがありますが、
実はとても労働集約的な環境です。
「人月」(例えば、1人月は、1人1ヶ月分の労働力)と呼ばれるプロジェクトの管理手法が用いられており、
プロジェクトの(売上)規模が大きくなればなるほど、人間の労働力を投入して進めます。
「ここの機能は、このくらいの規模だから、〇〇人月当てましょう」
みたいな感じです。
例え、素人みたいなエンジニアでもシステム開発に投入されます。
実際、SHOOTはプログラミング経験が皆無の時に設計と実装を担当しましたしね笑
そして作り出された業務システムは対して差別化できないため、価格競争に陥ります。
価格競争に陥ったところは、利益が削られていきます。
大手SIerは案件を元請けする企業群なので、マージンを10%近くは抜けるのであんまり問題ではないですがね。。。
IT業界に来たのに、人間が富を生み出すのは、今の時代とてもナンセンスだと感じてしまいました。
クラウド化の波に飲み込まれている
これは、現在進行形で起きていることですが、
クラウド技術の発展により、サーバー部分の雇用がアマゾンに奪われ、
会社のハード部門がどんどん縮小しています。
現に、同期入社した同じ部門のハードの部署に配属された友達たちは、
入社から1年も経たぬ間に、本社から切り離され子会社に所属が変わりました。
オープンイノベーション化により、とてつもないスピードでIT技術が発展をとげ、
あらゆる業界の壁を溶かしています。
これは、日本の閉鎖的なSI業界も例外ではないと思います。
SI業界の多重下請け構造が嫌いになった
SI業界は、SIピラミッドと呼ばれる多重下請け構造を持っています。
大手SIerが大型案件を受注すると、受注した仕事を分割していくつかの中堅企業にその仕事を振り分けます。
仕事を貰った中堅企業は、さらに仕事を分割して中小企業へ、そこからさらに零細企業へというように下請けへ、下請けへ、といった階層構造になっています。
いわば、大手SIerを頂点とするピラミッド型構造。
営業力弱く、システムを1社で開発できる体力がない下請け企業にとっては仕事がもらえ、
大手SIerにとっては、大量の人員を常に自社で抱えるリスクを取らずに案件の規模に応じて人員を補給できます。
頂点と裾野側の利害が一致しているため、このような構造がいまだに残っています。
一見メリットは大きいように思えますが、デメリットも大きいです。
何と言っても、待遇格差。
中間にいる企業も利益が必要なので、自社が設けた額より安い金額で下に仕事を発注しなければなりません。いわゆる「マージンを抜く」というやつです。
下に行けば行くほど、売上、利益はやせ細っていきます。下請けの企業も仕事が欲しいので、Noとはなかなか言えないんですよね。
そして、待遇の悪い下請け企業に全てしわ寄せがいくことが多いです。
頂点は、システムの仕様をお客様と決めたり、全体の設計をしたりする「上流工程」、
裾野は、細かい設計や実装、テストをする「下流工程」を担当します。
私がいたプロジェクトでは、上流工程が担当した設計書が良くなく、システム全体の8割以上が手戻りで設計書を修正し、プロジェクトが大幅に遅延していました。(現場の雰囲気恐ろしかった…笑)
SHOOT自身も大手SIer研修期間に下流工程全般を経験しましたが、ドキュメントだけでは仕様が伝わらない上に、実装を意識していない設計に苦しめられました。。。
上流工程の人に仕様や修正点を確認するだけでもかなり時間がかかります。
こりゃ遅延もしますね。
待遇が悪いのに、しわ寄せを受ける下請けにとってとても過酷です。
上流工程側としては、人月と数えているように、人間を駒と考えがちになります。
ビジネス的には頂点と裾野の利害は一致してても、現場レベルでわかりあえることはないと思います。
これだけの上下関係、ヒエラルキーがあるにも関わらず、1室のプロジェクトルーム、同じ部屋で、システム開発が行われます。
SHOOTはこの殺伐とした空気感にどうしても耐えられませんでした。
ザ・サラリーマンの社風に馴染めなかった
末っ子で現代っ子のSHOOTは、昭和のサラリーマン的な雰囲気がどうしても馴染めませんでした。
同調圧力や価値観の押し付けを感じてしまうと一瞬で冷めます。
例えば、
「会社の飲み会は参加しなければならない」
「上司が退社するまで、会社にいなければならない」
「新人が休暇を取るなんて言語道断」
「新人は苦労して当たり前」
など、「昔はこうだった」と自分たちの時代の古い価値観を話されると、一歩引いてしまうのです。
周りとは違う人がいると一瞬で飲み会のネタにされます。定時で帰るし飲み会に極力参加しないSHOOTも影で言われていたと思います(実際は違うかもしれませんが。笑)。
特に、「飲み会」の文化。
SHOOTはお酒自体あまり好きではない上に、
会社内の誰かの悪口や上司の苦労話自慢には何も興味がありません。
その会社にどっぷり浸かることができる人は、とても楽しいと思います。
SHOOTは、会社という組織にそこまでコミットできませんでした。
最後に:SI業界への就職を考えている方へ
さて、以上が私が大手SIerを辞める4つの理由でしたが、
私はSI業界にもいいところはたくさんあると考えています。
- 情報専攻でなくてもIT業界に入れる
- 多大な教育コストをかけてくれる
- 優秀な同期・上司がたくさんいる
- 堅実なビジネスで稼いでいるため、安定している
- ある程度は年功序列で給料が上がっていく
エンジニアとしてのスキルを追求したい人にとっては、あまり理想的な環境とはいえませんが、
ビジネスマンとして優秀な方がとても多い印象です。
最後に、これからSI業界を志す人にアドバイスがあるとしたら
なるべくSIピラミッドの上の方の会社に入ること
です。
待遇面、社会的ステータス、労働環境。
どれをとっても下流工程に行けば行くほど、辛いことが多いと思います。
最初は大手SIerを目指すべきです。
未経験でも入ることはできるので、
大手SIerを目指しているけど、どうしたらいいかわからない人はいつでも相談してくださいねー!
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